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錦糸町クリニック

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安池 純士 院長
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安池 純士 院長 ヤスイケ ジュンジ
JUNJI YASUIKE
錦糸町クリニック
出身地:静岡県
趣味:読書、ジムトレーニング
好きな本:経営に関するもの
好きな映画:男はつらいよ シリーズ
好きな音楽:クラシック
好きな観光地:京都
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■1人でも多くの方の助けになれればと思い、たどり着いた今
職人に憧れて医師を目指したというところがあるかもしれません。お医者さんの仕事は、内科や外科関係なく、専門職ですよね。そこへの憧れが1つにはあったように思います。
それからあとは、この職業が目に見えて人の役に立つ実感を得られやすいという面でしょう。どの職業であれ、誰かの役に立っているということに変わりはないと思います。しかしこの仕事をやっていますと、例えば患者さんが元気になって帰って行く姿を見たり、感謝の言葉をいただいたりする場面などで、充実感を感じることが多々あるんですね。思い立ったのは高校生になってからのことですが、1人でも多くの方の助けになれればという思いがそこにはあったように思います。

大学卒業後は外科のレジデントとなり、その後は東京医科歯科大学医学部付属病院の救命救急センターに籍を置き、プライマリケアや救急患者さんの対応にあたっていました。訪問診療を自ら手がけたいと思うようになったのは、その時期に多くの患者さんの事情を目の当たりにしたからだったように思います。大学病院に救急車で運ばれる方の中には、かかりつけ医をもたず、何かあった時の対応について話が進んでないまま、という方がおられました。病院の立場としては、患者さんがなんとか持ち直すよう手を尽くすわけですけども、そうした治療をすべてのご家族が望まれているかというと、決してそうではないわけです。慣れ親しんだ自宅で静かに過ごしていたい。そう考える方が思いの外多いことを知り、地域の中で患者さんがどうやって最後まで過ごしていくかを一緒に考える存在になりたいと考えたのです。

安池 純士 院長 安池 純士 院長

■外来診療と在宅診療を並行しておこなうことのメリット
『錦糸町クリニック』では、午前中に外来を、午後は訪問診療という形をとり、4名の常勤医師がそれぞれ週に1回、分担して外来診療をおこなっています。
訪問診療をおこなうクリニックでありながら、あえて外来診療を設けたのは、私が考える“かかりつけ医”の定義にのっとったものでした。訪問診療を受ける期間がどれくらいになるかと言いますと、癌以外の方がおおよそ2年程度。癌の終末期の方は2ヶ月前後と言われています。終末期の方の場合、訪問診療に切り替わったタイミングで主治医がまた変わるということになりますと、不安を抱えながら最後の時期を過ごすということになりかねません。外来と訪問を兼ね、もっと早い段階から患者さんと関わることで、そうした不安を払拭できると考えたのです。
同様に、外来に来られていた患者さんがいずれ在宅を望まれる場合、シームレスに移行することが可能になります。比較的まだ元気なうちから、ご家族を含めて色々と準備ができることになりますから、その点でも外来を置くことに意味があると考えています。
私たちは、科によって区別することはありません。その人を丸ごと、最後まで責任を持ってみるのが、これからのかかりつけ医の在り方ではないかと思っています。

■病院と遜色のない医療を在宅診療で提供
安池 純士 院長入院されていた時に受けていた治療とまったく同じものを訪問診療でおこなえるかといえば、それは難しいものがあります。たとえば、24時間、在宅で毎日点滴を実施するとなると、ご家族の負担を考えても大変です。しかし、たとえば熱が出てしまった際の抗生物質の点滴ですとか、脱水症状をおこした際の点滴については十分に対応できます。あるいは、癌の患者さんによくみられるのですが、お腹や肺の周りに水が溜まってしまった場合、その水を抜くということもおこなえます。そのほか、胃ろうの処置はもちろん、携帯型の超音波検査装置を用いての検査も可能です。そうと考えますと、最後の時を迎えるにあたって必要な医療は十分に在宅でおこなえると言えるでしょう。
そもそも、終末期には病院で受ける医療も、在宅で受ける医療にもそれほどの差異はありません。であれば、居心地のよい環境で気兼ねなく過ごせるようになるのは、それだけで大きなメリットではないでしょうか。

■あらゆることの説明を尽くすことが大切
在宅を手がける上で大事なことは、きちんと説明することに尽きると考えています。病院で担当の医師やソーシャルワーカーからあらかじめ説明を受けますが、その時点では十分に理解されていないことがままあるのです。わからなければ聞き直せばいいといっても、医師の都合を考えてそれができないこともあります。その隙間を埋められるよう、時間を十分にとり、しっかり説明していくことが我々には求められるのです。
なんでも訴えてもらえるよう、その雰囲気作りにも気を配るべきでしょう。その辺りは、我々のみならず、ケアマネジャーさんやヘルパーさん、訪問看護師さんら、その人に関わる他職種が連携を密に取り合っていくことで可能になるものでもあります。ご本人やご家族がどう過ごしていきたいのか。ご希望を汲み取り、それを実現できるよう力を尽くしていきたいと考えています。

■これから受診される患者さんへ
どうぞ、なんでも相談できるかかりつけの先生をお持ちになってください。喫緊の病気のことだけではなく、これからのことも一緒に考えてくれる先生をお持ちになっていただきたいですね。こちらでは、手続きを含めた在宅診療に関する疑問やお悩みをいつでも受け付けています。何か困ったことがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

※上記記事は2018年11月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

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