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江戸木目込人形博物館(塚田工房)

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塚田 詠春 人形師
インタビュー
塚田 詠春 人形師 ツカダ エイシュン
EISHUN TSUKADA
江戸木目込人形博物館(塚田工房)
生年月日:1949年6月3日
出身地:東京都
血液型:O型
趣味・特技:カメラ
好きな映画:洋画
好きな言葉・座右の銘:精進
好きな場所・観光地:小布施(長野県)
江戸木目込人形博物館(塚田工房)詳細情報はこちら
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■この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。
今にもまして当時は皆が皆、大学へ進むという時代ではありませんでした。そこで私は手に職をつけたいと考え、高校を卒業すると同時に母方の叔父にあたる五代目名川春山の元へ内弟子として入門したんです。
とはいえ、入門当時、私は人形屋さんというのがどういう職業で何をやるのかってことをまるっきり知りませんでした(笑)。小さい頃から馴染みがある、というただそれだけの理由で選んだんですね。この職にやりがいを見出すようになるのは、修行に修行を重ねた後のことになります。
5年間師匠の元で修養を積み、実家のあるこの場所に戻り、塚田工房として独立しました。1973年のことですから、もう40年近い月日が経っていることになります。

塚田 詠春 人形師 塚田 詠春 人形師

■木目込み人形そのものについてご説明いただけますか。
木目込み人形とは胴体(ボディ)に彫った溝に糊を入れ、そこに布地を着物に見立てて“木目ていく”ことからこの名前で呼ばれるようになりました。ひな人形に用いられている技法で、別に衣裳を作り、それを着付けた衣裳着人形とはまた違うものです。
木目込み人形はその昔、京都から江戸に伝わったもので、その歴史は380年ほどあるとされています。時代を経て、段々と大きく、そして写実的になっていったんですね。
私が叔父の元で修行に励んでいたときは100%おひな様だったのですが、現在では干支飾りに代表される動物をモチーフとした作品も多くなってきました。頭(かしら)と呼ばれる人形でいうお顔の付いてない、ボディだけで作られるものがそうです。製作工程もですが、時代と共に少しずつ少しずつ進化しているのが木目込み人形だと思います。

■塚田木目込み人形の特徴をお教えください。
塚田 詠春 人形師ウチの人形の特徴的なところは布地に人形用の布ではなく古代裂(こだいぎれ)を多く用いているところかと思います。古代裂とは昔の人が実際に使っていた着物のことで、人によって時代裂(じだいぎれ)と言ってみたり、古裂(こふ)という言い方をされることもあります。
この古代裂を二重張といい、下に着付けたものの上に更に重ねることで着物そのものの質感を出しています。

頭にしても、江戸時代からの作り方を取り入れて、手間隙をかけて作品に仕上げています。
なんにしても部分部分の出来が突出してはいけないんですね。ボディだけ良くても駄目だし、頭だけ良くても駄目。姿形の調和がとれることに気を配って製作をしています。

■人形作りのお教室についてお話しください。
塚田工房では人形作りのお教室を催しています。
人形作りのお教室は他にも沢山あるのですが、大概が服を木目込むだけ、着せるだけのものであることが多いんです。それはそれで楽しいものではあると思いますが、ウチでは頭から始めて全部を作っていただきます。
このお教室自体、元々は他のお教室で習っていた方の「頭もボディも全てオリジナルで作りたい」というご希望に添う形で立ち上げたものなんです。
月2回の割合で1体出来るまでに掛かる時間はおよそ1年ほど。桐塑(とうそ)と呼ばれる桐の木のおがくずを足していき、ご自分が納得いくものになるまで作業を繰り返していきます。
ご希望の方はどうぞお気軽にお問い合わせください。私が監修し、人形作りの全てをご体験いただけます。

■最後に地域の皆様へメッセージをお願い致します。
見学はいつでも結構なのですが、事前にご連絡をいただければ私か息子(塚田 真弘)が皆様をご案内致します。
東京スカイツリーが出来て、墨田を訪ねる方がこれから増えていくと思いますが、その際、ウチだけではなく伝統工芸の職人さんを訪ねて歩かれるのも一興だと思います。
「伝統を守り伝える」ということに使命感のようなものを持っているわけではありませんが(笑)、やはりせっかく訪れてくれた方には「面白い」と思っていただきたいんですね。ただご覧になってお帰りいただくのでは勿体ない。筋道を立てたサービスというほどのものではありませんが、訪れた方が人形に興味を持っていただけるよう私どもなりにしっかりとご説明をさせていただきたいと思っています。

※上記記事は2012.3に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

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