(東京大学名誉教授、シーフード生化学研究所主宰)
マグロは日本人にはなじみ深い魚です。あの真っ赤な美しい切り身は刺身や寿司には欠かせませんし、最近では雄大な泳ぐ姿が水族館でも人気です。でもマグロの筋肉は他の魚と違ってなぜあんなに赤いのでしょうか。実は、マグロは水温よりも10℃以上も高い体温を保って一生泳ぎ続け、短時間なら時速100キロメートルで泳げる驚異的な能力をもった魚です。これまであまり紹介されることのなかったマグロの遊泳能力のひみつを探り、高い体温のもつ意味についてお話しします。
・「マグロ類の飼育──大洋の航海者を水槽で飼う」
演者/三森亮介(葛西臨海水族園飼育展示係)
葛西臨海水族園は、マグロ類の群泳展示を世界で初めて実現しました。そしてクロマグロの水槽内産卵にも成功しています。飼育係だから知っているマグロの魅力、飼育の裏話などをご紹介します。